Chie K.さんのOTAKU道

更新殆どない予感

タイバニ米たに監督BFI舞台挨拶 Q&A書き起こしざっと訳

ニコのブロマガからの移植です。2014年の記事の訳文をそのまま置いておきます。タイバニはいいぞ。それではどうぞ~。

 

※先日訳したものはイギリスのアニメサイトの独自インタビューだったようなので、同じくイギリスのゲーマー向けサイトが米たに監督のBFI舞台挨拶の一部を書き起こしているものを教えていただきまして、ざっと訳してみました。5月24日のThe Risingネット配信でこのBFIの映像も全部流れることを期待しつつ、内容にあらぶったのであげておきます。
あ、ここおかしいZO☆というところがあったらご指導ください(∩´∀`)∩

元記事はこちら→ http://parallaxplay.com/q-a-with-tiger-bunny-the-risings-yoshitomo-yonetani-the-bfi-anime-weekend/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=q-a-with-tiger-bunny-the-risings-yoshitomo-yonetani-the-bfi-anime-weekend


先週末、BFI(英国映画協会)が開催した”Anime Weekend”では、Tiger & Bunnyはこのイベントのヨーロッパプレミア特ダネの中でも注目の的になった作品だった。
映画上映後、このTiger &Bunny The Risingの監督である米たにヨシトモ氏が、聴衆の前でファンからよせられた映画やシリーズ全体についての質問を受けた。

なお、質問の中にはThe Risingの内容についてのものもあり、まだ観ていない人にはネタバレになってしまう恐れがあるので、そのような質問の先頭には「ネタバレ注意」とつけておいた。

 

Q; 今回の映画でも新しい登場人物が何人も出てきていますが、日本ではアニメ映画の場合、声優専門の方がたくさんいるのか、それとも元々は俳優をされている方々が声を演じているのか、しくみがよくわかりません。アニメには声優を使うという慣習みたいなものがあるのですか?それともその時々で一番ぴったりくる俳優を選んでいるのですか?

 

A; 映画ではよく、俳優を起用することもあります。しかしTiger & Bunnyはテレビシリーズから映画になりましたし、その雰囲気を尊重したかったので、私たちは普段からナレーションや吹き替えをしている声優さんを多く起用しました。

 

Q; ファイアーエンブレムのことについてお尋ねします。セクシュアリティという要素が映画にはいってくる場合、注意深く、かつその人格を尊重しながら人物描写をしていくことと、ともすれば性に対する昔からの固定観念の只中に話が突入していくことには、非常に微妙なバランスが生じると思います。このファイアーエンブレムという人物を真向から描写するにあたっては、そのバランスについてかなり気を遣ったのではないかと思いますが。

 

A; それはもう、とってもとっても気を遣いました。

 

Q; Tiger & Bunnyシリーズ、次の映画は構想されていますか?どんなふうに続いていくのでしょう?

 

A; これはまた直球ですね。アイデアは本当にたくさんあって、中には映画の舞台の一部をロンドンにしたり、あのミナック劇場を背景に使ったりといったアイデアもあったんです。もうほんとに沢山沢山アイデアがあったんですが、今回完成した映画の状態になるまでに削られてしまいました。まあこういったアイデアについては製作会社に一旦預けて、検討してもらって今後どうしていくかが決まっていくと思います。

 

観衆からの質問

 

Q; 監督はどんな(NEXT)能力をもちたいですか?

A; えーと、私はちょっぴり虎徹っぽくなりつつあります。集中力は続かなくなってきたし、目は疲れるし、だからずっと働き続けられる身体が欲しいですね。

 

Q; 虎徹とバーナビーのコンビは解散させない感じだったのに、今回の映画では解散に転じたいきさつについては?

 

A; 私も多分あなたと同じ気持ちです。私はTiger &Bunnyというコンビを愛していますし、彼らを決別させたいとは思っていなかった。ライアンをここで登場させることはまさに博打を打つようなものでした。ファンを油断させておいて、え?これどうなっちゃうの?と思わせる。The Risingという映画を広く認知させる宣伝的な狙いもありました。

 

Q; このTiger &Bunnyシリーズはどうやって作られたのでしょうか。(アメコミの出版会社の)マーベルやDCが出している漫画のイメージにヒントを得たのですか?

 

A; (タイバニの)テレビシリーズには、原作となった漫画はありません。私はテレビシリーズ当初は監督ではありませんでしたが、製作にはかかわっていましたし、舞台設計をする段階から参加していました。ですから進行は最初から見ていましたし、第1話から絵コンテを担当していました。私たちは月並みなものじゃない作品が作りたかった。ヒーローものではあるけれども、皆さんが予想できるようなものにはしないつもりだったんです。ちょっと違ったものになるということで、反対意見もありました。ヒーロー達の裏の顔、つまりヒーローのヒーローじゃない(人間の)部分を見せようとしたからです。ですから反対もあったけれども、皆が本気でこの路線でいこうと。その結果ここにこうしているわけです。

 

Q; (映画が上映されて)ファンの反応を見た今、ここはもうちょっと詳しく描写したらよかったなあと思うシーンはありますか?

 

A; ないです。(場内笑い)

 

 もう何度も何度もやり直しましたし、沢山変更もした結果、この完成した状態はとても絶妙なバランスを保っています。なのでここから少しでも何かを変えてしまったら、そのバランスは崩れてしまうと思うんです。これ以上よくなるとは考えられません。

 

Q; 映画のいくつかの重要なシーンで、大人の男性キャラクターが自分自身のことを「俺」や「私」ではなく「僕」と言っていますが、これは西洋の観客には理解できない意味合いがあるのではないかと思ったんですが。

 

A; 日本人が自分自身を指す言い方をする時は、その人の人格がその言い方にでています。ですから、同じキャラが時によっては自分自身を違う言い方で言いますし、それによってそのキャラの心理的変化が表れていたりします。

 

Q; バトルシーンでは、カット割りがとても速いです。バトルシーンにおいて、アクションを速く活発に見せることと、観客がその映像についていけるかどうかということとどちらを優先していたのでしょうか。また、カット割りのスピードはここ10年くらいたつ間にこんなに速くなったのですか?

 

A; そうですね、速くなってきています。それは映画を見る媒体が変わって来ていることにあるでしょう。ファンは同じ映画を何度も何度も観る傾向にありますし、もし最初に気が付かないシーンがあっても、その後また見ることで大体発見します。その発見した時というのはいわゆる「アハ体験」と呼ばれる瞬間で、それがまた楽しいものなのです。

 

Q; これはよく質問されているでしょうが、虎徹についてお尋ねします。虎徹という人はとても人情味のあるキャラですが、あまりアニメではみかけない年をとったヒーローをたてようと思ったのはどういうきっかけですか?

 

A; これについては構想段階では私は関わってはいなかったんですが、プロデューサーや脚本家の方達は、何か他と違ったものを作ることを目指していました。サンライズでも他のアニメ会社でも、“おじさん”が主人公になって成功したアニメは先例がありませんでしたので、反対意見も相当ありました。しかしまあ時代は変化するものですし、製作スタッフはこれ(おじさんが主人公のアニメ)が絶対いいんだ!と断固とした態度を取ったのです。

 

【ネタバレ注意】

Q; ネイサン=ファイアーエンブレムは、シリーズで唯一彼自身のエピソードがなかったキャラでした。この、非常に繊細な面を持つネイサンについては、テレビシリーズで何かエピソードを入れる予定だったんでしょうか?それと今回満を持して彼の物語を入れることになって、プレッシャーみたいなものは感じましたか?

 

A;テレビシリーズは何話構成というふうに最初から限られています。ですからより深く掘り下げたいキャラがいても、シリーズの中にはなかなか入れられません。実際のところ、ロックバイソンも色々と掘り下げたいキャラなのですが、まああの人の場合何もないほうがなんか判り易いですよね。


【ネタバレ注意】

Q; 悪徳経営者のシュナイダーについてお尋ねします。彼の見た目は誰か実在の人物に基づいているんでしょうか?



A; マーク・シュナイダーというキャラクターは、元々私がラフを描いた時点では小柄で、弱々しい見た目の男という設定でした。ですがキャラクターデザイン担当の桂正和先生が、シュナイダーを余りに弱々しい見た目にしてしまうと、ヒーローズが彼を追いかけて攻撃する際に観客がシュナイダーを可哀想と思ってしまうだろうとおっしゃいました。だから、最終的にあの見た目になってよかったなと思っています。

 

Q; 監督はどのヒーローがお好きですか?そしてその理由もお聞かせください。

 

A; The Beginningでは、ルナティックが好きでした。彼はヒーローというよりはダークヒーローと呼ぶべきでしょうが、正しいとはいえなくても自分自身の信じる正義のかたちに熱意をもっていた。しかしThe Risingではより人間の内面に目を向けて自分の中の本当の自分を見つけ、弱ささえも含めて自分の全てを受け入れること、そして実際には強くなくたって、能力を使わなくたって、ヒーローになれるんだということが描かれています。ですから、今作では私は楓ちゃんが本来NEXT能力を持っているんだけれども、エンディングの手が巨大化する時まで能力を使わないのが気に入ってます。中には楓ちゃんにもっと他のことをさせたらいいのにという意見もありましたが、私はあれがお気に入りです。

 

Q; Tiger & Bunnyの声優陣は、アニメ、The Live、The Beginning、「Hero Radio」、ドラマCD、そして今回のThe Risingと、ずうっとやり続けてきているわけですが、今やもうすっかり役にハマっていると言う感じですか?声優さん達もそれぞれのキャラやその演じ方に彼らなりのアイデアがあるんじゃないでしょうか。

 

A;そうだと思います。声優さん自身、役に対する思いはあると思いますよ、例えば「僕が虎徹だったらこういうだろうなあ」とか、皆さんそれぞれの持ち役について語っていらっしゃいます。でも、The Beginningの時点では声優さん達はセリフの言い回しを変えてみたりもしていたんですけど、The Risingについては台本をものすごく練り上げたので、声優さん達はそれをくみ取ってくれて、セリフも台本通りしゃべってくださいましたし、台本通りの演じ方をしてくださいました。(了)